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地球温暖化係数(GWP)とは?―世界の課題「温室効果」の程度を知る値

地球温暖化係数(GWP)とは?―世界の課題「温室効果」の程度を知る値

地球温暖化や温室効果ガスの問題について語られるとき、「地球温暖化係数(GWP)」という言葉がよく出てきますが、地球温暖化係数(GWP)とは何を数値化したものでしょうか。今回は地球温暖化係数(GWP)と温室効果ガスとの関係、地球温暖化係数(GWP)の算定法、代表的なガスの地球温暖化係数(GWP)をご紹介します。

地球温暖化係数(GWP)とは

地球温暖化係数(GWP)とは何かを考える前に、温室効果ガスと地球温暖化の意味と関係についておさらいします。

温室効果ガスと地球温暖化の関係

地球には太陽の光が降り注ぐことで、人間も含めた動植物が生きていける気温が保たれています。しかし、実は太陽の光だけでは地球の気温は大幅に下がり、-19℃前後になるといわれています。それは、太陽からのエネルギーによって地表は暖められるものの、地表からそれと同量の赤外線エネルギーが宇宙に向けて放出されるためです。-19℃前後では多くの植物が順応できず、食料を失うことで動物もかなり減少することになるでしょう。

しかし、大気中にはその赤外線を吸収する効果のある「温室効果ガス」が含まれ、そのガスが赤外線を吸収して再び地表に向けて放出するため、地表はもう一度暖められて再び温度が上昇します。そのおかげで、現在の世界の平均気温は14℃程度に保たれているのです。

一方、「地球温暖化」とは人間の活動によって地球の表面温度が上昇することを言います。これに大きく関わっているのが、人間の活動によって排出される温室効果ガスです。

本来、温室効果ガスは地球の表面温度を一定に保つために必要なものです。しかし、人間の活動によってそれが増えすぎた場合には地球温暖化が進み、環境の変動や動植物への多大な影響が予測されます。そのため、温室効果ガス上昇による地球温暖化への対策は、世界全体で取り組むべき大きな課題となっているのです。

地球温暖化係数(GWP)は各ガスの温室効果の程度を数値化したもの

地球温暖化への対策を考えるうえで、まずは影響する温室効果ガスの性質を把握する必要があります。そのために使われるのが「地球温暖化係数(GWP)」。具体的には「そのガスが二酸化炭素の何倍の温室効果があるのか」を表す係数で、例えば地球温暖化係数(GWP)が2.0であれば二酸化炭素の2倍の温室効果があるということを示します。英語では“Global Warming Potential”といい、この頭文字を取ってGWPとするのが世界共通の表記となっています。

地球温暖化係数(GWP)は気候変動に関する政府間組織(IPCC)によって公表されますが、実はその数値は確立しておらず、過去数回にわたり変更されている状況です。

また温室効果ガスの寿命はそれぞれ異なるため一概には比較できず、20年・100年・500年の評価を算出してそれぞれ開示されています。一般的には、京都議定書でも用いられた評価期間「100年」の数値を参照して、そのガスの地球温暖化係数(GWP)を表します。

地球温暖化係数(GWP)から温室効果の指標となるCO2換算排出量を求める

そのように今後も数値が変わる可能性はあるものの、地球温暖化係数(GWP)は、世界の課題である「温室効果」の程度を知る値として頻繁に活用されています。京都議定書でもその目標が定められたように、各国の温室効果ガス排出量は環境に関する議論の場でたびたび注目されますが、その計算において以下のように使用されます。

・温室効果ガス排出量=(統計データによる活動量)×(公表されている排出係数)

これにさらに地球温暖化係数(GWP)をかけることでCO2換算排出量が求められます。

・CO2換算排出量=(統計データによる活動量)×(公表されている排出係数)×地球温暖化係数(GWP)

以上のように温室効果ガス排出量は、地球温暖化係数(GWP)をかけることによりCO2換算され、「温室効果」の指標とされます。

主な温室効果ガスと冷媒に使用されるガスの地球温暖化係数(GWP)

ここで代表的な温室効果ガスと、この後紹介する「冷媒」に使用されるガスの地球温暖化係数(GWP)をご紹介します。いかに私たちの身近で使われているガスの温室効果が高いのかが認識できるのではないでしょうか。

温室効果ガス

冷媒

【参考】

全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)

一般財団法人 日本冷媒・環境保全機構(JRECO)

など

地球温暖化係数(GWP)と冷媒

エアコンや冷蔵庫などの冷媒に使われるガスの採用についても、地球温暖化係数(GWP)が大きく関わっています。

冷媒に使われるガスについては、もともとは「オゾン層破壊係数(ODP)」が課題となり、主流として使われるガスが移り変わってきた歴史を持ちます。環境に関する議定書により、現在使われている冷媒はほとんどがオゾン層破壊係数(ODP)ゼロのものです。

冷媒として以前主に使われていたR410Aもオゾン層破壊係数(ODP)はゼロですが、地球温暖化係数(GWP)は2,090と二酸化炭素の2,000倍以上もの温室効果があります。そこで、R410Aに変わり採用が増えたのがR32です。こちらもオゾン層破壊係数(ODP)はゼロで、地球温暖化係数(GWP)が低い「低GWP冷媒」として注目されました。しかし、低GWP冷媒と言っても地球温暖化係数(GWP)は675もあり、まだまだ高い温室効果があります。

いまやオゾン層破壊係数(ODP)がゼロであるのは冷媒として必須の条件であり、さらに高効率で安全性が高いことに加え、地球温暖化係数(GWP)が低いことも求められます。

低GWP冷媒と、それを効率的に使える冷房装置の研究が今なお続いているのが現状です。

地球温暖化係数(GWP)を世界が注視

人類は文明を発展させるうえで、気付かぬうちにオゾン層破壊や地球温暖化につながるガスを大量に排出してきました。地球温暖化係数(GWP)の低いガスをいかに有効に使えるかというのが、今世界全体で取り組むべき課題となっており、多くの分野で低GWP化実現に向けて研究開発が続いています。

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